【マニラの下町を歩く】

【マニラの下町を歩く】

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マニラで最も栄えている中心地の一つ、マカティー近くの街並みを散策してみました。
マカティー近くといっても、フィリピンでは、少し通りを越すだけで、街の雰囲気はガラリと変わります。栄えている部分、発展途上の部分。その差が歴然としていて、日本の常識で考えるとびっくりしてしまうほど。

ここは、まだ現代的な暮らしをするには、環境が整っていない地域。日本人がほとんどおらず、かつ観光客もほぼ見かけません。本当は、外国人であり、まだ不慣れな留学生の私がフラフラと散策するには、あまり薦められない場所だったかもしれないけれど、せっかくこの国で生活しているのだから、観光地や商業施設だけでなく、一般の人たちの日常も見てみたいと思ったのです。

 

 

この日、すぐに目に飛び込んできたのは、家の前で無邪気に遊ぶ子どもたちの姿でした。フィリピンの人たちはお金が無くても、少しの工夫で生活を楽しむのが得意と聞きます。

1つのボールがあれば、日が暮れるまでスポーツを楽しんだり、おしゃべりに夢中になったり、ちょっとした食べ物のプレゼントをして、喜びあったり。
道端で出会った子どもたちも、けして裕福とは言えない様子だったけれど、とても楽しそうにボール遊びに興じていました。

 

その笑顔と笑い声は、本当に活き活きしていて、こちらまで笑顔になってしまうくらい。
さらに、その様子をお母さんやお婆さんがニコニコしながら眺めているのです。

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フィリピンは一本道を挟むと、その雰囲気がガラリと変わる、と書いたけれど、それはつまり、貧富の差が激しいということ。貧しい人たちは本当に貧しい。

私もたびたび、道端で、小さな子どもたちからお金が欲しいと訴えられました。
花の輪っかを作って売っている小さな少女の姿も毎日のように目にします。
時には、コンビニで買い物をしようとしたら、外からレジのところまで着いてきてしまって何度も何度もお金を要求されたこともありました。

 

また、夕方など人が多く行き交う時間帯には、少しでも施しを受けようと道端に座りこみ、その日の生活費を求める人達の姿もあります。

そんな状況に、ショックを受ける留学生も少なくありません。
私も、たまたま裕福な国に生まれた自分と彼らとは、そもそも一体何が違ったのだろう、と考えてどうして良いかわからず、居たたまれない気持ちになったこともありました。

 

でも、こんなふうに、子どもたちがはしゃぎながら無邪気に遊ぶ姿や、その様子を嬉しそうに見守っているお母さん達の優しそうな目を見ていると、そんなモヤモヤした気持ちは晴れて、感動さえ感じました。
貧富の差とか関係なく、人間として人生を楽しむというのは、きっとこういうこと。
たとえ、電気が通っていなくても、下水が整備されていなくても、インフラが整っていなくても、悲観するだけでなく、様々な方法で私達は心豊かな生活を送ることができる。フィリピンの人たちが教えてくれる大切なこと。

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